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★HARAKIRI HUNTERリリース記念スペシャルインタビュー★

…あれから三年。

地獄の竈でグツグツと、永らくじっくりと煮詰められた音魂たち…。

そしてまた、重い鉄釜の蓋が開かれた。

 

琉球の刺客三人衆の新作は、さらなる「濃厚"HARAKIRI節"」の集大成!

 

…ようこそ、新章へ。

遂に発表となった3rdアルバムについて、僭越ながら今回は当方よりの申し出にてインタビューが叶いました。

リリースからそろそろ一週間〜既にお耳にされている方も多いと思いますが、よりアルバムをお楽しみいただけると思います故、ぜひ最後までお目通しをば!

 

〜〜〜

micKie(以下m):先ずは…今回のアルバムタイトルを"HARAKIRI HUNTER"とされた理由をお聞かせください。我々リスナーがゾンビに狩られてドゥームな世界に引き摺り込まれるかのような印象を持ったのですが…。

 

マサゾンビ(以下マサ):1stがHARAKIRI HIGHWAY、セカンドがHARAKIRI HEAVENとHH続きだったので次もそうしようと思って、インパクトのある単語を考えた時にすぐにHUNTERが思いついたんです。

インパクト以外にあまり理由とか意味はないです。笑

でも、mickieさんがそうやって想像を膨らませてくれたって事は良いタイトルですね。

 

m:そうでしたか!

次の"H"も楽しみに待ちつつ…笑

 

では、各曲の御解説をお願いいたします。

1曲目のインスト〜イントロダクションより、この先どんな展開で聴かせてくれるのかという期待を孕んで聴き終えると、2曲目の「俺の世界」が…。

序盤からイキナリ八方塞がりとか四面楚歌的な言葉の羅列となりますが、どのような意図にて紡ぎ出された歌詞なのでしょうか?

マサ:救いのない歌詞ですよね。笑

厭世的な歌詞は今までどおりなんですけど、今回曲も歌も死ぬほどドゥーミーなのを一曲は入れたいと思って、この曲は可能な限りダークな歌詞にしました。

このバンドの出自であるドゥームメタルへのリスペクトソングでもあります。

歌い方を聴けば、絶望感に耽溺してそれを愛する自分と、さらにそんな自分を嗤いながらも憎めない”入れ子構造”も見えてくるかもしれないです。

曲のあちこちに入る笑い声は悪魔か世間か、それとも自嘲か、地獄すら楽しむ己の中の怪物か。解釈はいろいだと思います。

 

m:何度か聴くうちに感じていた、これ以上行き場(生き場)の無い絶望の中に見え隠れする薄灯りのようなものを感じていたのですが…"入れ子構造"の一言で腑に落ちました。

3曲目の「どろどろ」…幾分テンポアップするものの…あくまで創作であって欲しいと願いつつ…笑

より現実的な"表現の泥状化"が進んでいるように思われるのですが。

 

マサ:こちらもひどいですよね。笑

もちろん創作です。笑

人生の中で、時には物凄く理不尽な目にあったりしますよね。

自分ではどうしようもない事で責められたり。

そういう時の心境を表現したつもりです。

あと書いた当時コロナ禍真っ只中だったので、あの閉塞感も加わってると思います。

 

m:今作のサウンドプロダクションには、一曲目から引き込まれました。どういったコンセプトがあったのでしょうか。ここまでお話を伺った3曲と絡めてお聞かせいただけますでしょうか?

 

マサ:1曲目のインスト「夢想剣」は元々フェイドインの予定だったんですが、ギターの音が非常に良かったので、単音リフで始まる形にしました。

ジューシーでコシがあって程よく凶暴な今作のギターサウンドを冒頭で示せたと思います。

そこから続く2曲目の「俺の世界」は、同じリフを延々と繰り返す事でトリップ感を狙ったんですが、それもこのギターサウンドあっての事だと思います。

でも元々は今回ドラムとベースの音をとにかくかっこよくしたいってのを基本にして、ギターはそれに合わせて音作りをしてたんですよ。結果的に全ての楽器の音が良くなりました。

バンドってそういうマジックがありますね。

で、作品全体の音作りは今までよりもボーカルを強調してます。これまでライブを重ねてきて、お客さん結構歌を聴いてくれてるなってのを感じるようになってきたので。そういう意味では一般的なメタルのアプローチと少し違うかもしれない。

 

m:なるほど。そして4曲目の「アンサー」ですが、先の2曲と比べると、イントロなどは、何ならL.A.の風でも吹いてきそうな感じがしなくもないという個人的な印象を持ちました。笑

そして旅は終わる訳ですが…探し求めていたもの〜answerは見つかったのでしょうか?

マサ:「どろどろ」までが救いのない世界だったのが、ここにきてようやく希望が見えてきた。笑

「見失ったものを求めてマシンと共に旅をする」というテーマは昔から繰り返し歌ってきていて、前作の「遠き雷鳴」でも登場してます。

「遠き雷鳴」では追い続ける様子を歌ってましたがそこから一歩進んで「アンサー」では答えを得た、というところで話は一旦終わります。

まあ、続きは次回作で!笑

 

m:5曲目の「死後の恋」は、ニッタゾンビ氏によるインストナンバーですね。

途中数発の銃声のあと、厳かでシンフォニックな展開にストーリー性を強く感じられます。どのような意図をもって制作に取り組まれたのでしょうか?

 

ニッタゾンビ(以下ニッタ):マサゾンビからのお題に則して作ったインストになります。今回は夢野久作の「死後の恋」を読み一番心に残った箇所をモチーフに作りました。

ロシアを舞台にした作品なので冷たいロシアの大地と華やかなロシアのクラシック音楽を彷彿とさせられる曲ができると良いなと思いながら作曲しました。

結果曲の前半部分は主人公の回想を叙事的に、後半は作品内で描写される主人公の複雑な気持ちを一見ハッピーエンドのような曲調で表現してみました。

ですので「死後の恋」を読んでみて聴いてみると印象が変わるかもしれませんね。

なぜこの物語をモチーフに指定したのか、それはマサゾンビのみぞ知る、でございます。

マサ:セカンドアルバムの「インスマスの影」と同じポジションの曲ですね。

ハラキリゾンビの文学派な面(笑)をアピールしてます。

若かった頃に読んで頭をガーンと殴られるような衝撃を受けた物語で、いつか作品にしたいと思ってたんです。でも歌で表現するのはちょっと違うなと思って、ニッタゾンビにインストで作ってもらおうと思いました。

ニッタゾンビが持ってきたのを聴いてまず感じたのが音の選び方がマイケル・ナイマン(『プロスペローの本』『ピアノレッスン』など)みたいでいいなと。メロディや構成も含めて原作小説のムードに非常に合ってると思います。

私がお題を出してニッタゾンビが形にする、というスタイルがとても楽しくて、今回もアルバム作りの中でメンバー間で遊ばせてもらいました。

今後はラブクラフトの「エーリッヒツァンの音楽」や大江健三郎の「死者の奢り」なども取り上げたいなと思ってます。

 

m:そうなのですね。

おかげさまで、私の読書の幅も広がります。笑

 

6曲目の「ランナウェイ」〜個人的にサビの英詞の"I'm gonna get it back"が印象に残りました。

 

マサ:「ランナウェイ」と「アンサー」はテーマが似ていて「取り戻す」「帰る」「やり直す」みたいなことを歌ってます。

ハラキリの歌詞で英語が入るのは珍しいんですが、この”I'm gonna get it back"の語呂というか語感が歌メロにぴったりなので上手くいったと思います。

キャッチーな曲ですよね。

楽曲的な事も言うと、この曲のギターソロは今作中もっともシンプルでキャッチーに仕上がってて気に入ってます。

ギター初心者にコピーして欲しい。笑

m:7曲目「S.O.S.」〜序盤の二曲「俺の世界」「どろどろ」では、八方塞がり四面楚歌状態を悪い酒でさらに貶めつつも、この曲では特定の誰方かに向けて助けを求めておられますよね?

 

マサ:そうですね、少しは前向きになれた感じですね。

「落ち込んでたけど、やっぱりお前が好き」「俺にはお前しかいない」という、よくあるラブソングです。笑

柳ジョージの「FOR YOUR LOVE」的な。

サウンドはゴリゴリのメタルですけどね。あと、後半めっちゃサザンロックのテイストが出てて気に入ってます。

ハラキリの曲ってわりとラブソング的なのが多いんじゃないかと思ってます。だいたい主人公は酔っ払ってるし、しみったれた内容になってますけど。笑

 

m:続く8曲目…既に確立された"HARAKIRI節"と双璧とも言える、静穏な面〜マサさんのソングライティングのセンスが光るスローバラード〜「月光」ですが、手招きに導かれて行きそうになるその先は…

 

マサ:この曲は1stの「黄金の日々」と同じテーマを歌ってます。

「黄金〜」のほうは誘われる側からの、月光は誘なう側の視点です。

過去の温もりや、永遠の安らぎを求めた先は、、、「俺の世界」になります。

だから「月光」でも「俺の世界」でも「ようこそ」と歌ってますよね。

人間、過去に生きてはいられない、でも時には全てを投げ捨てて思い出の中に生きたい。そんな事を、今までの音楽キャリアの中で繰り返し歌って来ました。

別に思い出に浸るのは全然いいと思うんですけどね。未来を見るためには過去とも向き合う必要があると思いますし。

ただ私が書くとダークな世界観になるという。

 

m:先の「アンサー」と共に、この「月光」も、改めて旧譜を振り返って聴いてみると良きですね。お手持ちでないリスナーの皆様、今すぐ入手してください!笑

 

最後の曲〜9曲目の「片足棺桶」〜"棺桶"というワードだけでHARAKIRIマニアは狂喜乱舞…笑

別の形での既発ナンバーなので、ファンの方なら御存知ですよね?

 

マサ:これは2023年にMVでリリースした曲ですが、正式に音源化してなかったのでこの機会にボーナストラックで入れました。

まあ、説教臭い歌ですよね。笑

同世代の男達へのキックアスソングです。「老けこむにはまだ早いぞ!」と。

で、アルバム本編は「月光」で美しく終わったのに、ボーナストラックで"ケツ"連呼でぶち壊しにするという天邪鬼な私たち。笑

 

m:"ケツ"の連呼 笑!

ライブで演奏される際には、オーディエンスのコール(まだまだ〜!もっともっと的な煽り含めて 笑)も、必須の予感がいたします。笑

各楽曲の御解説が済んだところで…

 

リズム隊の御二方其々の、今作の聴かせどころを教えてください。

 

ニッタ:ドリームシアターのドラムであるマイク・ポートノイが大好きなのですが、今回同バンドに復帰するという嬉しいニュースもあったのでいつも以上にインスパイアされたフレーズが各曲に収録されていると思います。

 

ハルゾンビ(以下ハル):アルバム全曲を通してギターの一音一音を重たく引っ張るイメージで演奏しています。今回は以前よりも歪みを強くしたのと、ゾンビ感(笑)というか粘っこさを出して一音一音にパワーを込めて弾きました。ミドルテンポの曲は結構説得力がある音が出せた気がします。個人的に3曲目の「どろどろ」、6曲目の「ランナウェイ」によく表れているかなと思います。

 

m:既に数え切れないくらい拝聴しておりますが、お二人のコメントを頂戴して、さらなるガン聴き態勢に入りました!笑

 

さて、マサさんに改めてお伺いします。

 

「俺の世界」「どろどろ」に於けるネガティブワード三昧な歌詞を受けての更なるお伺いです。

"「闇」とは「光(=希望や願い)」あってこそ存在する(逆もまた然り)"という認識なのですが、その辺りに関して思われるところをお聞かせください。

 

マサ:歌詞としてまとめ上げて、力一杯歌うという行為自体は非常にポジティブだと思うので、実は聴いててそんなにどんよりした気分にはならないと思うんです。

むしろ「そこまで言うか笑」みたいな笑いにつながるというか。

こういう表現って文学や映画でやると重くなりがちだけど、音楽、特にロックだと結構楽しめるんじゃないかと思います。

でも、闇を表現すれば光が、光を表現すれば闇も見えてくるってのはどういうアートでも同じかもしれないですね。

 

m:なるほどです!

 

次は、ジャケットアートについてのお伺いです。

 

今回使用された画像ですが、過去二作は拝見する此方と同じ高さの目線でした。今回は崖の上から見下ろす構図になっていますよね?何か意図があってのことでしょうか?

また、差し支えなければロケ地と、その場所を選ばれた理由もお聞かせください。

マサ:これまで同様に空を広く撮りたいと思い、こんな感じになりました。

そして、此処を選んだのは荒涼とした自然の圧倒的な力を借りたかったからです。

仰角になったのは、断崖の下の巨岩だらけの浜というロケーションの都合です。

我々が立ってる岩と波打ち際との距離がほとんど無くて、カメラマンさんがうんと下から狙う格好になったんですよ。

この場所は慶座絶壁という、大戦中に米軍に追われた民間人達が身投げした、悲しい歴史のある場所です。

撮影のために崖をロープ伝いに降りたり洞窟を通ったりしてなかなかの冒険でした。

なんでこんな場所を知ってたかと言うと、私が以前息子と探検して、たまたま見つけたんです。

 

m:そうなのですね。

すっかり、此方が地の底に落とされて御三方に助け(赦し?)を乞うているかのように過剰な夢想をしておりました。笑 構図の謎?が解けて良かった…と申しますか、かなり険しいロケ地だったのですね。

そのようなロケーション〜殊沖縄には、悲しい歴史のある場所が散在しているという認識ですが、そのような場所に赴かれるのも、何かの導きなのかもしれませんね。

 

では最後に、御三方様へのお伺いです。

 

2ndアルバムリリース以降、いま皆様其々からご覧になって、バンドとしての結束感(メンバーシップやサウンド面)はどんな印象でしょうか?

 

マサ:個人的には去年の東京ツアーでさらに結束が強まったように思います。ライブもかなりパワーアップしたと思いますね。誰が次に何をするか見なくてもわかる感じが強まってます。作曲のスピードも格段に上がってますし。

サウンド的には今作を聴いていただいた通りドラムとベースがかなり良い音になりました。

 

ニッタ:結束感について大きく変化している面はなく、いい意味で付かず離れず、良い距離感のままだと感じてます。

サウンド面については、収録を重ねるにつれメンバーそれぞれが思い描くサウンドを各自が汲み取れるようになっていると思います。ですので次の作品づくりが楽しみですね。

ハル:バンドの結束感としては、曲が固まるのが以前にも増して早くなってきました!!!笑

特にレコーディングのドラム録り、ボーカルアレンジなども一発録りのようなスピードで進んでいて、メンバーの思い描く曲の方向性が固まってきてるような気がしています。みなまで言わなくても伝わるような感覚ですかね…。

三人で音を出してる空間が変わらず楽しいです。CDを楽しんでもらえたら、是非ライブにも足を運んでもらえると嬉しいです。

〜〜〜

 

かくして新作を引っ提げ…

来る6月には初の大阪公演も決定しているとの事。

あなたの棲む街に現れる日も、そう遠くはないでしょう…心して、続報を待たれよ!

 

Mikako"micKie"Takahashi

(ex.Metal Mutha's plus)

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